MotoGP ヤマハ
2017シーズン開幕前のテスト最終日、Movistar Yamaha MotoGPのマーベリック・ビニャーレスとバレンティーノ・ロッシは積極的に多くの周回を重ねて成果を確認。3日間の総合順位はそれぞれ総合トップと6番手を獲得した。

最終日も日の入りを待ってから、マーベリック・ビニャーレスとバレンティーノ・ロッシは、決勝用セッティングの完成を目指して走行を繰り返し、ラップタイムではそれぞれトップと11番手を獲得した。

全力でテストに臨んだマーベリック・ビニャーレスは、セッティングの微調整を行いながら、「YZR-M1」の最適バランスを追求。周回を重ねるごとにその効果が現れ、4時間終了間際には1分54秒330を記録してトップに浮上した。セッション終盤にはロングランを行い、燃費とタイヤの消耗についてのデータを収集。合計60ラップを走破してトップを守ったままテストを終了。後続との差は0.071秒だった。

一方のバレンティーノ・ロッシは、前日までの好感触をつかむことができず厳しい状況に置かれたが、全54ラップを走行し、その中盤あたりで1分55秒185のベストタイムを記録。その後は気温が下がったこともあり、さらなる更新はならなかった。この結果、マーベリック・ビニャーレスから0.855秒の遅れをとり、最終日の順位は11番手に留まった。しかし3日間の総合順位では、2日目に記録した1分54秒732によって6番手を獲得した。

Monster Yamaha Tech 3のジョナス・フォルガーとヨハン・ザルコは、シーズン開幕前の最終テストで好調な走りを披露。ルーキーとして臨むMotoGP初戦に向けて自信をつかんでおり、モチベーションも上がっている。

ジョナス・フォルガーは最終日もルーキートップの8番手を獲得。3番手のダニ・ペドロサ(ホンダ)にコンマ3秒差に迫る健闘を見せた。また決勝を想定したロングランも行い、十分な手応えをつかんでいる。一方のヨハン・ザルコは「YZR-M1」にすばやく適応して、ロングランでも絶好調。ラップタイムでは初日のタイムを0.805秒更新し、チームメイトには0.093秒およばなかったものの、ディフェンディングチャンピオンのマルケスを凌ぐタイムで最終日を終えた。

両チームは2週間後、2017 MotoGP 開幕戦出場のために再びここへ戻って来る。

マーベリック・ビニャーレス (総合トップ)
「マシンの状態がさらに一歩前進し、すばらしいマシンができあがりました。走行中のフィーリングも抜群! 僕自身の体調も絶好調だから気持ちよく乗れていて、とってもハッピーな気分ですね! それでも電子制御システムについてはまだ改善の余地が残っているので、ここからさらにコンマ数秒は上げられると思っています。実際、マシンの能力を限界まで引き出せているわけではなく、本当はもうちょっとプッシュできるはず。開幕戦でもテストと同じように走ることができれば、優勝を目指して戦えると思います」

バレンティーノ・ロッシ (総合6番手)
「昨日よりも難しい状況になりました。テストを継続するために昨日と同じセッティングから始めましたが、どういうわけか、同じフィーリングとスピードが得られなかったのです。路面コンディションがちょっと変わってしまったせいなのか、なかなか状況を好転させることができませんでした。ラップタイムも落ちてしまい、マシンのパフォーマンスを最大限まで引き出す方法がわからない状態で、準備が整っていません。冬季テストを振り返ってみると、難しい状況が続いているので、今後もチームとよく話し合い、開幕戦までに本来の強さを取り戻したいと思います」

マッシモ・メレガリ (Movistar Yamaha MotoGP チーム・ディレクター)
「初戦に備えるために、今回のテストは非常に重要なものでした。そして総合的に見ればとても満足できる結果となりました。昨日は最高のパフォーマンスを実現できたので、今日はもう一度セッティングに取り組みながら、主にレースシミュレーションに力を入れました。セッティングの最終調整を行ってからマーベリックは順調にロングランを完了。バレンティーノはそれを短縮してテストプログラムを終了しました。マーベリックはこの3日間を通じて、タイムアタックでもシミュレーションでも好タイムをキープ。このことが我々に自信を与えてくれています。一方のバレンティーノは、昨日は最高のパフォーマンスを見せてくれましたが、今日はセッティングでいくつかの問題にぶつかりました。エンジニアたちはこの後、昨日と今日の走りを比較しながら、良し悪しを探り、修正方法を検討していくこととなります。これで最終テストを終えましたが、今は2週間後に迫ったシーズン開幕戦を待ち遠しく感じています」

ジョナス・フォルガー (総合8位)
「好調のまま、カタールでのテストを終了できました。これでもう、開幕戦に向けて準備できたと思っています。最終日の目標はセッション終盤でレースシミュレーションを行うことでしたが、そのなかではラップタイムをコンスタントにキープできたし、準備していたエンジンマッピングが期待通りに働いてくれました。タイヤの挙動を感じることが面白く、いい経験ができたことで、開幕戦に向けてまた新しいアイディアも浮かびました。今回のテストを通じて、僕はとても多くのことを学び、マシンについても自信を深めることができたのですが、とくにシミュレーションでは安全な走りができて良かったと思っています。前回のフィリップアイランドでは、途中で転倒して自信を失っていましたから。今はさらにM1を理解し、とくにコンディションが変化しても、それにしっかり対応できるようになっています。とはいえ、実際のレースとテストは別ものなので、ウイークで何ができるか様子を見なければなりません。でも今は、チームも僕も、ここまでの成果に満足しています」

ヨハン・ザルコ (総合10位)
「テスト最終日は非常に順調でした。そして今は、最高峰クラスでのルーキーシーズン開幕をとても楽しみにしています。今日はレースシミュレーションを行い、22ラップのなかでマシンがどのように変化していくかを実際に体験して、さまざまなことを知ることができました。僕自身は最高に速かったわけではありませんが、この経験こそが最大の収穫です。この3日間で自信を持てたことがうれしいし、今日はソフトコンパウンドのタイヤで好タイムをマークし、好位置につけることもできています。総合的に見て、非常にポジティブな形でテストを完了できたのです。前よりはレベルも上がり、M1のパフォーマンスを理解できるようになり、よりよい状態で開幕戦を迎えられるでしょう。それに加えて、トップライダーに近づくことができたことも大きなモチベーションになっていますね。また、ジョナスの速さには敬服します。彼と僕はどちらも力があると思っているし、一緒に育ってきたのですが… 開幕戦までの2週間は、家に帰りトレーニングを行いながら、決戦を待ちます」

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カテゴリー: F1 / MotoGP