F1 トラックリミット
メルセデスのモータースポーツ責任者を務めるトト・ヴォルフは、ランオフエリアでの“退屈”を解消するために、トラックリミットのルールを撤廃することを求めている。

先月のF1ハンガリーGPでは、FIAがトラックリミットのルールを厳密化し、ターン4とターン11のリミットを4回超過したドライバーにドライブスルーペナルティを科すよう定めている。

トト・ヴォルフはトラックリミットのルールを完全に撤廃し、ドライバー任せにすれば、F1の見応えが増すと主張する。

「舗装されたランオフエリアではいずれにせよドライバーがコースオフして再び戻ることができるので退屈だ。コースオフすれば、ウォールに突っ込むか、グラベルにはまるものだ。舗装しているのであれば、最速ラインを取らせればいい」

「大量のランオフエリアがあれば、見応えはそれだけ減り、我々がやっていることに対する観客の関心が低くなる。したがって、私の見解としては、それが(シルバーストンの)クラブであれ、コプスであれ、最速のラインを取らせればいい」

「バリアが近すぎてあまりに危険なときや、コース復帰の際に他のドライバーを危険にさらす可能性がある場合は、そのコーナーの仕様を見直そう。しかし、その他については、彼らに任せて走らせるべきだ。見応えのある絵になるだろう」

トト・ヴォルフは、電子センサーの使用を含めたトラックリミットの取り締まりがF1を誤った方向に導いていると考えており、ほんのわずかのマージンでコースを外れたドライバーにペナルティを科すのは馬鹿げていると述べた。

「白線を分析し、ドライバーが白線からタイヤを2cm外してラップタイムを失っているとわかったとしても、もはや誰も理解できないだろう」

「これは走り幅跳びではない。2cm外せばジャンプが無効になるような競技ではない。6kmのサーキットが舞台であり、2cmが大きく左右することはない。ドライバーに任せ、ドライブさせようではないか。縁石の上で見事な走りが見られるだろう」

ホッケンハイムのレースから1週間後、FIAレースディレクターのチャーリー・ホワイティングは、ドライバーたちが混乱に陥ったターン1のトラックリミットについて明確化を求められており、F1ストラテジーグループにでのFIAとの議論でペナルティを取りやめることで合意に至ったと見られている。

最近のF1ルールは一貫性を欠いており、今年は新フォーマットを採用した予選は旧式に戻され、無線制限もシーズン途中で緩和された。

トト・ヴォルフは、そういった状況がファンをF1から遠ざける危険性があると述べている。

「ルールの一貫性は非常に重要だ。サッカーのゴールサイズは毎年変更されたりしない。前回のストラテジーミーティングでは様々な項目について前進できたと感じている」

「無線をめぐるナンセンスはようやく撤廃され、再びファンにストーリーが、テレビ視聴者に見応えが戻ってくる。そして、我々は縁石によってトラックリミットを制限し、ドライバーが最も速く走るために可能な道を取ることができるようにすべきだと話し合った」

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カテゴリー: F1 / メルセデスF1