マクラーレン ホンダ F1
マクラーレンは、F1エンジンサプライヤーのホンダとの決別を否定しているが、2017年の悲惨なF1プレシーズンテストの後、マクラーレンとホンダの危機が盛んに報じられている。

16日(木)には、マクラーレンがホンダとの契約解消を見越して、長年のパートナーであるメルセデスにF1パワーユニット供給を非公式に打診したと BBC をはじめとする海外メディアが報じた。

これらの報道について、マクラーレンF1の広報担当は「冬季テストは困難で残念なものになりました。我々はホンダと欠点や不十分だった点への対処に取り組んでいます」とSky Sport にコメント。

「我々はホンダとともに選択肢を検討しているところです。メディアの推測についてコメントすることはありません」

F1バルセロナテストでのマクラーレンの“ボディランゲージ”とそれ以降に取り上げられているホンダに批判的な発言は、すでにマクラーレンとホンダの関係が危機にあることを裏付けていると考えられている。

ホンダとの契約は年間1億ドル(約113億4000万円)の価値があると言われているが、マクラーレンとしても、このまま競争力がなければ、タイトルスポンサーの獲得はおろか、フェルナンド・アロンソを含めた多くの人材を失うことになる。

だが、ホンダ側から契約解除を申し入れた場合には違約金が設定されているされ、最近、マクラーレンのエリック・ブーリエが強気な発言をしているのは、ホンダから契約を解除させようという目論みがあるのかもしれない。

ホンダの広報担当の「ホンダとともに選択肢を検討している」との発言は、友好的な決別の基盤を作っていると解釈することもできる。

マクラーレンから打診を受けたメルセデスは、F1エンジンの供給に前向きだとされている。実際、メルセデスはシーズン前に消滅したマノーのためにカスタマーエンジンを準備しており、もう1チームへ供給するキャパシティは十分にある。

マクラーレンは1994年に信頼性の低かったプジョーとの複数年契約を1年で打ち切ってメルセデスに変更したかこがある。

今シーズン中のエンジン変更の可能性は極めて低いと思われるが、マクラーレンは歴史的なチームとしてトップに返り咲くことを熱望している。

マクラーレンは1995年から2014年までメルセデスのF1エンジンで戦っており、その間に3つのドライバーズタイトルと1つのコンストラクターズタイトルを獲得。そのうちの1998年と1999年のタイトル獲得に貢献したミカ・ハッキネンが“パートナーアンバサダー”とチームに復帰することが発表されている。

一方、ホンダのF1プロジェクト総責任者を務める長谷川祐介はプレシーズンテスト後「メルボルンまでに残された時間で、マクラーレンと引き続き緊密に連携し、オーストリアに向けて出発するまで努力し続けます」と力強く語っている。

だが、信頼性トラブルの解決に加えて、テストでは見せられなかったパフォーマンスも向上させなければならず、メルボルンのマクラーレン・ホンダのガレージは24時間密着取材が待ち受けているだろう。

バックマーカーが定位置だったマルシャのカラーリングに似ていると揶揄されているマクラーレン・ホンダ MCL32がメルセデスのパワーユニットに載せ替えることになれば、あまりに皮肉なことだ。

フェルナンド・アロンソ 「マクラーレン・ホンダは2015年よりも強い」
フェルナンド・アロンソ 「マクラーレン・ホンダは2015年よりも強い」

このエントリーをはてなブックマークに追加

カテゴリー: F1 / マクラーレンF1チーム / ホンダF1