小林可夢偉
小林可夢偉が、予選自己最高の2番グリッドを獲得しながら、13位でレースを終えたF1イタリアGPの週末を振り返った。

スパ・フランコルシャンの金曜日は、一日中雨に見舞われた。

「ベルギーGPの週末は金曜日が雨だったので、クルマのセッティングは土曜日の朝の1時間が勝負でした」と小林可夢偉は振り返る。

「持ち込みの状態からすこし足回りを変えてみたりしたんですが、感触はよかったです。ただその後予選に向けてもう一歩進めてみたら、乗りにくくなってウインドウが小さくなってしまいました。正直、あ〜、やっちゃったと」

しかし、予選では何なくQ3まで進出し、2004年のヨーロッパGPの佐藤琢磨以来のフロントローとなる2番グリッドを獲得した。

「もしかしたらQ3に行けないかもと心配になるぐらいの状態でしたが、なんとか残って、Q3のあの1周だけほんとにうまくまとまりました。あのラップはセクター1を通過した時点で、このままだったまずいと思って、かなりそこからセクター2とセクター3を頑張ったんですけど、コントロールラインを通ったときに自分のタイムを見てびっくりしました。スパ・フランコルシャンに来ることを楽しみにしていましたが、予選2番手は想像以上にいい結果でした」

優勝への期待も高まる予選結果だったが、決勝のオープニングラップで全てが手からこぼれ落ちる。

「一方日曜日は、ご存じのとおりです」

「フォーメーションラップでは、かなりギリギリまでタイヤを温めていました。これはもともとプラン通りだったんですけど、グリッドでかなりの量の煙が上がっていたので、結構注目されましたけど、レースを最後まで走り切れたので、ブレーキに問題はなかったです」

「ただスタートに関しては、今回クラッチのセッティングをちょっと変えてあったんですが、それがうまく機能しなくてホイールスピンが多くて加速が鈍かった。それでも4番手くらいで1コーナーに入ったら、突然右後方からクルマが降ってきて、どうしようもない、という状況でした。とにかくまずは、誰も大きな怪我をしなくてよかったです」

「そのあと、1周目にピットインしてフロントウイングを交換して、プライムタイヤに履き変えて、頑張って順位を上げていけたので、このままいけば入賞争いはできると思っていたら、今度はスローパンクチャーでまたピットインすることになって……散々でした」

「レースの間、本来のペースで走れないし、コクピット前についたタイヤマークは見えていたんですが、クルマを降りてからサイドポッドとかほかの部分のダメージをみて、その理由もわかりました」

「レース後のデブリーフィングでは、チームにはスタートのセッティングについてなど、僕の思ったことはしっかりと伝えました。僕たちは中堅チームなので、すべてを完璧にしないと勝つことができません。その一方で、僕たちのような規模のチームでも、ひとつになればビッグチーム相手に勝利を狙える、というチャレンジをとても楽しんでいます」

「今週末のモンツァでは、今回の土曜日の予選までの勢いで、うまくつなげたいと思います」

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カテゴリー: F1 / 小林可夢偉 / ザウバーF1チーム