F1 降格ペナルティ
F1のエンジン規約の再検討を求める声が高まっている。

F1オーストリアGPでは現在のエンジン規約が引き起こしかねない事態が明確になった。グリッドが20しかないにもかかわらず、マクラーレン・ホンダの2台に合計して50グリッド降格のペナルティが科された。

元F1ドライバーであり Sky のコメンテーターを務めるマーティン・ブランドルは「馬鹿らしい」と非難。

ドライバーにグリッド降格だけではなく、レース中のドライブスルーなどのペナルティが科されるようになった理由は、1基あたりの寿命を長く持たせようという現在のエンジン規約にある。

今年はシーズンを通して一人のドライバーが使用できるパワーユニットは4基に限られているが、トラブルが多発したルノーやホンダ勢の消化は特に速く、シーズン中盤に達する前に一部のドライバーは規定量を使い果たしてしまっている。

「エンジン4基ルールを脱するためにマレーシアで合意に至ったが、ご破算にされた」とレッドブル代表のクリスチャン・ホーナーは述べている。

「ルノーやホンダのような大手マニュファクチャラーにとって、このようなあり方で公式に責任を負うのは良い状況ではない。検討する必要がある」

マクラーレン・ホンダを率いる立場にあるエリック・ブーリエもこれに同意し、またエンジン凍結の範囲も厳しすぎると考えている。

「開発制限、そして、その結果としてのペナルティシステムついては行き過ぎてしまったと思う。レースは競争であり、全ての競争ではより上を目指して自分自身で開発できるような状態である必要がある」

「結局、自由な開発が許容されるべきだと思う。論争もペナルティもなしでね。我々にとって、だが、それ以上にファンにとって、複雑にしないことだ」

ザウバーのチーム代表モニーシャ・カルテンボーンの見解では“自由な開発”は行き過ぎであるものの、最も苦戦するマニュファクチャラーらを手助けするために何かがなされるべきだという。

「真剣に捉えるべきことです。ファンがこういったレースをあと2年も受け入れることはないでしょう」

現状のままであれば、2016年からもエンジン規約は厳しくなるばかりだ。例えば、今シーズン配分されたエンジン開発用の“トークン”は、シーズン開幕直前になってフェラーリが発見した規則の抜け穴に対応しただけのもの。

フェラーリ会長のセルジオ・マルキオンネは「F1はレースであるべきだが、今のF1は錬金術のようだ」と Autosprint にコメント。

「これ以上誰も何も理解していない。ドライバーたちが25グリッド降格するのを見てみてほしい。ショーをサーキットに取り戻すために、我々はより謙虚に取り組むべきだ」

関連:マクラーレン・ホンダ、両ドライバーが25グリッド降格ペナルティ - 2015年6月21日

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カテゴリー: F1 / FIA(国際自動車連盟)