マックス・モズレー
元FIA会長のマックス・モズレーは、“慎重な調査が必要”とした上でキャノピーの導入がシングルシーターの安全性を向上させる可能性があると述べた。

2009年にF2ドライバーのヘンリー・サーティースが、外れたホイールに当たって事故死。その数日後にはフェリペ・マッサがサスペンション・スプリングに当たり重傷を負うという事故があり、FIAは今年上旬、将来的な使用の可能性にむけてウインドスクリーンとジェット機型のキャノピーをテストしていた。

そして、先週末のインディカー最終戦ラスベガスでは、多重クラッシュに巻き込まれたダン・ウェルドンのクルマが宙に舞い、コースに沿って設置されていたフェンスへ頭部から激突して命を落とすという事故が起きた。

1994年のアイルトン・セナの事故死以降、F1の安全性に重要な役割を果たしてきたことで知られるマックス・モズレーは、キャノピーのアイデアが「うまく働いた可能性がある」と CNN に述べた。

「オープンコックピットは常にドライバーに何かが衝突する危険性があ。ダン・ウェルドンのような事故では、ロールバーでさらに補強などしたキャノピーが役立つかもしれない」

「だが、まずは慎重な調査が必要だ」

だが、コックピットキャノピーにはマシンの速度を高める不必要な空力的影響があるとマックス・モズレーは認める。

「問題の1つは、マシンがさらに速くなってしまうかもしれないということだ。我々はそれを望んでいない。だが、遅くさせる手段は他にもある」

またキャノピーには、視認性の問題、事故発生時にドライバーを救出する時間がかかる等のマイナス面もある。

「ドライバーを保護することがわかれば、テクニカル・ワーキング・グループが全て調べるだろう」

「非常に優秀な人々がこれらの問題をフルタイムで扱っていることを私は知っている」

FIA ジェット機型キャノピー 衝突実験



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カテゴリー: F1 / FIA(国際自動車連盟) / インディカー