セバスチャン・ベッテル
FIAは、メキシコGPでセバスチャン・ベッテルに科させられたペナルティの再考を求めたフェラーリの要請を却下した。

10日(木)、フェラーリは、セバスチャン・ベッテルに科せられた10秒加算ペナルティの見直しをFIAに求めた。セバスチャン・ベッテルはこのペナルティによって、メキシコGP決勝結果で3位から5位に降格している。

ペナルティは、ダニエル・リカルドからポジションを取り戻そうとした際にセバスチャン・ベッテルがブレーキング中に動き、危険なドライビングを行ったとして発令された。

フェラーリは、レース後に“複数の新たな要素”が明らかになったと主張していた。

11日(金)のフリー走行2回目の後、スチュワードは、フェラーリのジョック・クレア(エンジニアリングディレクター)、レッドブルのクリスチャン・ホーナー(チーム代表)およびジョナサン・ウィートリー(チームマネジャー)と話し合いを行った。

マックス・フェルスタッペンは、ターン1でコースを外れてポジションを維持しながらも、ベッテルを先行させることを拒否してベッテルから激しい怒りを買った。このマックス・フェルスタッペンの動きによって、数周後にベッテルはリカルドからのプレッシャーにさらされることになった。

フェラーリは、レッドブルが3番手を走っていたマックス・フェルスタッペンにポジションを譲らせるよう指示する“権威”があったと主張。

これに対し、FIAは、レースディレクターのチャーリー・ホワイティングにはドライバーに対してポジションを譲るよう告げる“絶対的な権限”を持つ一方で、そうする義務はないと応じた。それに加え、マック・フェルスタッペンが道を譲らなかったことはセバスチャン・ベッテルに科されたペナルティと“無関係”だとしている。

フェラーリが議論に上げた第2の“新要素”はGPSデータだった。スチュワードはフェラーリによって提出されたデータはレース中にフェラーリが参照可能だっただけではなく、事後にスチュワードがベッテルのペナルティを決定する際にも利用可能だったと述べている。

裁定について、スチュワードは「GPSデータが、スチュワードがカーナンバー5のドライバー(ベッテル)がターン4のブレーキング中にステアリングを切ったことを示していると判断したテレメトリーやその他の証拠と何らかの形で相反しているかと尋ねられたクレア氏は、そうではないと認めた」と述べた。

国際スポーティングコード第14章2項によれば、新しい要素が存在するかどうかを決定する裁量はスチュワードのみに委ねられている。今回はスチュワードがそうではないと判断するに至った。

関連:フェラーリ、F1メキシコGPでのベッテルのペナルティの再調査を要請

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カテゴリー: F1 / スクーデリア・フェラーリ